『私を思い出してください』 船田肖二師
ルカの福音書23章42節~43節
・・・そして言った。「イエス様。あなたが御国に入られるときには、わたしを思い出してください。」イエスは彼に言われた。「まことに、あなたに言います。あなたは今日、わたしとともにパラダイスにいます。
メッセージ要約
今日は、イエス・キリストの十字架での出来事です。イエスは、ヘロデの画策もむなしく、弁明をなさらずに、二人の罪人と共に十字架にかけられていきます。そして暴動と人殺しのために死罪になるはずだったバラバが、イエスの代わりに赦されることになります。死の恐怖から突然赦されたバラバは、何を思い何を感じたことでしょう。イエスは鞭打たれ、重い十字架を自分で背負い、茨の冠をかぶらされ、そして十字架にくぎで打ちつけられます。何も罪を犯されなかったのに、二人の犯罪人と共に十字架にかけられたのです。
イエスは十字架の上で「父よ、彼らをお赦しください。彼らは、自分が何をしているのかが分かっていないのです。」と語られます。十字架上の犯罪人のひとりは「おまえはキリストではないか。自分とおれたちを救え」と言いますが、もう一人が「おまえは神を恐れないのか。おまえも同じ刑罰を受けているではないか。おれたちは、自分のしたことの報いを受けているのだから当たり前だ。だがこの方は、悪いことを何もしていない。」とたしなめます。そして、「イエス様。あなたが御国に入られるときには、わたしを思い出してください。」とイエスに語りかけたのです。どちらの犯罪人もイエスのことを認めていたのかもしれません。しかし一人はただ悪い状況から逃れたいと考え、もう一人は深い反省に立ち「イエス様。あなたが御国に入られる時には、私を思い出してください。」とだけ伝えました。もういくら反省しても後の祭りで、間に合わないと思ったのでしょう。ところがイエスは口を開き、「まことに、あなたに言います。あなたは今日、わたしとともにパラダイスにいます。」と語られたのです。
イエスは十字架の上にあっても、悔い改めた魂を取り扱い、永遠のいのちの望みを与えてくださいます。悔い改めた犯罪人は、死にゆく十字架の上にあっていける望みを持つことができたのです。わたしたちはどうでしょう。主と出会うまでは自分の罪の自覚もなく、自分には関係ない、自分は罪を犯してはいないと思い込んでいました。ところが主と出会ったことによって罪の自覚が生じ、神との断裂を感じてしまっているのです。そこに、イエス・キリストのとりなしの十字架があったのです。罪に気が付いたならば、十字架上の犯罪人のように「わたしを思い出してください。」と、そのまま出て行けば、主は必ず平安と希望を与えてくださいます。