ルカの福音書7章44~48節
「…ですから、わたしはあなたに言います。この人は多くの罪を赦されています。彼女は多く愛したのですから。赦されることの少ない者は、愛することも少ないのです。」そして彼女に、「あなたの罪は赦されています」と言われた。
メッセージ要約
イエス・キリストの公の生涯は三年半と言われます。短いようにも思えますが、むしろそれまでの三十年にわたる学びと、主なる神による取り扱いは豊かで、それが父なる神の前に、ぶれることのない決断をもって十字架の道を歩まれる力となったことは間違いないでしょう。神の御心を伝え、赦しを告げ知らせられた主は、ただ教えられた知識としての信仰ではなく、人としてこの世を生きられた実際の経験に裏付けられた信仰を持っておられたはずです。そこには愛され、赦され、祈られ、支えられてきた、一人の人としてのイエス・キリストの姿を見ることが出来ます。
そんな主のもとに、罪に苦しむ一人の女が訪れ、、涙でその足をぬぐい、香油をその足に塗ります。これを見たパリサイ人はその心に、預言者ならこの女がどんな女かわかるはずだと思いますが、主はそんなパリサイ人に向かい、多く許された者が多く感謝し、多く赦された者は多く愛することを諭されます。そしてこの女性が多く愛している姿を通して多く赦されていると教え、女に罪が赦されていることを宣言されました。パリサイ人は罪深い生き方をしている女のことを知っていましたが、その心を理解しているわけではありませんでした。主はこの女性の苦しみを知り、その行動が自分の罪を悔いた行動から出た愛であることを見て、その多くの愛の行為によって多く赦されていることを教えられたのです。
わたしたちも自分の罪を自覚したならば、ただ悔いるだけでなく、すでに多く赦されていることを主に感謝し、その恵みや喜びを、愛の行為や生き方によって表そうではありませんか。わたしたちの主は言葉だけでなく、愛の行為によって平安や喜びを与え、赦されていることを実感させてくださるのですから。