2024年度 No.15

『主に祈りなさい』船田肖二師

マタイの福音書9章35~38節

それからイエスは、すべての町や村を巡って、会堂で教え、御国の福音を宣べ伝え、あらゆる病気、あらゆるわずらいを癒やされた。また、群衆を見て深くあわれまれた。彼らが羊飼いのいない羊の群れのように、弱り果てて倒れていたからである。そこでイエスは弟子たちに言われた。「収穫は多いが、働き手が少ない。だから、収穫の主に、ご自分の収穫のために働き手を送ってくださるように祈りなさい。」

メッセージ要約

 イエス・キリストがこの世界を歩まれたのは、二千年以上も前のことです。その時 主がご覧になった世界と、いま私たちが見ている世界にはどんな違いがあるでしょう。国が変わり、生活が変わり、考え方もその習慣も多様化し、おそらく格差が著しく広がったと感じる方が多いのではないでしょうか。けれども、いつの時代も人が人を区別し、創り主である神を知っていても、自分は特別であると考え他者を差別してしまう性質は、おそらく、今も昔も変わりありません。ですから主は、今も主を信じるわたしたちと共に福音を宣べ伝え続けてくださっていると同時に、自分や人を傷つけていることに気が付かず、不安と恐れの中に迷ってしまっている人々を心配してくださっているのです。そして今もわたしたちに、「主に、働き手を送ってくださるように祈りなさい」と語り続けてくださっているのです。
 わたしたちは自分が何をすべきかを考え、その答えを神に求めますが、神は私たちの特別な行為ではなく、神を信頼し期待する祈りを待っておられます。それは、主と共に歩んだ弟子たちも経験したことでした。主が弟子たちに神のわざを求められたのではなく、どんな祈りにも耳を傾けてくださる神に期待し、求めることを教えられたのです。しかも、イエス・キリストがいつも父なる神と語っておられた姿を見ていた弟子たちに、「私の名によって祈りなさい」とさらに身近な方法を教えてくださったのです。わたしたちは神に求めているでしょうか。神を信じて祈っているでしょうか。神はわたしたちの祈りを通して、わたしたちに語りかけ、わたしたちに思いと必要を与えてくださるのです。