2024年度 No.11

『御国を求めなさい』船田肖二師

ルカの福音書12章31~34節

「むしろ、あなたがたは御国を求めなさい。そうすれば、これらのものはそれに加えて与えられます。小さな群れよ、恐れることはありません。あなた方の父は、喜んであなたがたに御国を与えてくださるのです。自分の財産を売って施しをしなさい。自分のために、天に、すり切れない財布を作り、尽きることのない宝を積みなさい。天では盗人が近寄ることも、虫が食い荒らすこともありません。あなたがたの宝のあるところ、そこにあなたがたの心もあるのです。」

メッセージ要約

 わたしたちの日常は、その時代、置かれた場所によって異なっています。神の前の礼拝や信仰の歩みも、枠組みや見た目において異なってくるのは、当然のことです。例えば、病や事故によって特別の環境に置かれた時、あるいは、国や家を失い、いまいる所から出ていかなければならなくなった時、わたしたちは今までとは違う信仰の歩みを経験することになるでしょう。
 けれども、はじめは戸惑ったとしても、その中にかわることのない同じものを見出したとき、わたしたちはそこに、動くことのない土台を見出すことができます。イエス・キリストは、公の生涯においていろいろなことを語り、神のわざを行われましたが、その本質は、愛をもって導いてくださる父なる神との交わりでした。つまり、わたしたちが、目に見える枠組みや行為に重きを置きすぎてしまうと、神の御心からそれてしまい、力や自由を失ってしまう事にもなりかねないのです。
 主はわたしたちに、「御国を求めなさい」と教えてくださいました。目に見えるものではなく、神の力にあふれ、神に導かれる世界です。はじめは見ることができないので戸惑いますが、主は神の御手の中に自らを置き、神の言葉とその力を見せてくださったのです。わたしたちは神を信頼したいと思っていても、つい目に見える人や価値があると思えるものに心が奪われてしまいます。だからこそ、わたしたちを愛し、あの十字架の苦しみを選んでまでも、わたしたちを生きるようにしてくださった主を宝(心の真ん中に置き)とさせていただき、自分も十字架に主と共に死んだことを認めて、主の命に生きる歩みをさせていただこうではありませんか。宝のあるところに、心もあるのですから。