2023年度 No.53

『イエスの死と復活』石﨑善土師

ルカの福音書23章44~24章8節

…「ここにはおられません。よみがえられたのです。まだガリラヤにおられたころ、主がお話しになったことを思い出しなさい。」…

メッセージ要約

 キリスト教の暦中で、もっとも重要なイースターですが、ここには、キリスト教の真髄が詰まっています。
1.神に、自発的にゆだねる
十字架上の最後の言葉から、信仰者の究極の姿勢が伝わってきます。教えとして書かれているからではなく、誰かに言われたからでもなく、自発的に神にゆだねることが、イエスが示した信仰者の姿です。神は聖書を通して、人がそのようになることを願っていると伝えています。そして、信じるものがそう成れるように、イエスは十字架の苦しみを受け、自発的にご自身を神の手にゆだねました。
2.主がお話しになったことを思い出す
御使いに言われて、イエスのことばを最初に思い出したのは、埋葬を整えるために来た、ご婦人たちです。彼女たちは、使徒や弟子のように選ばれたのではなく、自発的にイエスに仕えていました(8章)。力も立場も弱かった、彼女たちが思い出したことがはじまりとなり、使徒に伝わり、ペンテコステへと繋がり、現代のキリスト教へと繋がっています。救い主が約束通り救いを成就した。このことを思い出すかどうかが、キリスト教のベースであるユダヤ教との違いとなっています。
3.神殿の幕が真ん中から裂けた
神殿の中には、至聖所と人を隔てる幕があり、その中に入ることができたのは大祭司だけでした。その幕が裂け、大祭司だけでなく、誰でもその幕の内側に入ることができるようになりました。このとき、いのちの木のあったエデンの園から追い出された人が再び、いのちの木のあるパラダイスに入ることができるようになりました。しかし、それを信じることがなければ、そこに入ることはありません。
私たちはイースターを記念して、これらのことを再確認しますが、年に一度ではありません。このことを記念して、毎週礼拝をしています。それは、主のことばと、自発的にすること、神がしてくださったことを思い出すように与えられた恵みです。