2023年度 No.12

『天に宝を蓄えなさい』船田肖二師

マタイの福音書6章19~21節

自分のために、地上に宝を蓄えるのはやめなさい。そこでは虫やさびで傷物になり、盗人が壁に穴を開けて盗みます。自分のために、天に宝を蓄えなさい。そこでは虫やさびで傷物になることはなく、盗人が壁に穴を開けて盗むこともありません。あなたの宝のあるところ、そこにあなたの心もあるのです。

メッセージ要約

 6月第三日曜日は、世間では「父の日」として覚えられています。けれども家族という単位が希薄になってきている昨今、父親像も多様化し、場合によっては悪い印象を持たれることもあります。聖書では神を、父なる神として教えていますし、とても大きくて広い存在です。みなさんにとって神は、どのようなお方でしょう。
 今日のテキストは、イエス・キリストが弟子たちに山上で教えられたメッセージの一つです。わたしたちは自分の中に、意識していなくても宝を持っています。その宝はわたしたちの行動を支配し、頭でわかっていてもそれを守るために自分を偽らせ、時に本当に大切なものを切り捨てさせてしまいます。ここで大切なのは、あなたの持っている宝が本物であるかどうかです。さらに言うならば、あなたの持っている宝が、場所や時代によって変化するものでなく、どんな時にも変わることのない価値を持っているかどうかです。
 わたしたちはこのことを、聖書によって学びますが、それを自分の中に刻むのは、日々の経験の積み上げと研鑽です。この経験は、自分の中で繰り返し行う、選びと決断によって深められていきます。人は習慣や周囲の人々の発言や行動に流されやすく、わかっていてもつい妥協してしまいます。だからこそ大切なものをいつも目の前に置き、何度見失ってもそれに目を向け続けることが必要なのです。なくてはならないものに心を向け、揺るがないことによって与えられる神の平和を、追い求め続けようではありませんか。