コリント人への手紙第一13章13節
こういうわけで、いつまでも残るのは信仰と希望と愛、これら三つです。その中で一番すぐれているのは愛です。
メッセージ要約
コリントは商業も宗教も盛んで、交通の要衝であり、福音が伝播していくためには良い所でした。一方で様々な文化が混ざり、人種も信仰も習慣も様々なものが混ざり合っていました。コリントの教会は、そのただ中にあって、様々な影響を受け、好ましくない風習や考え方が教会の中に入ってきていました。手紙の著者であるパウロは、教会から相談を受け、いくつかのことに対して、返答を送りました。それらは、分裂、不道徳、偶像礼拝、教会生活、結婚、倫理、教理などに関し、多岐にわたっていました。
パウロは具体的に指導しながら、神の愛(アガペー)の重要性(1~3節)、愛の性質(4~7節)、愛の永遠性(8~13節)について教えています。
多くの教会に、「信・望・愛」と書かれた書額(しょがく)がありますが、それは13節から来ています。これらは横並びに書かれていますが、実際には積み重なるものです。どんなに優れた技や犠牲があっても、愛がないなら、無に等しい(2節)。愛がなければ、何の役にも立ちません(4節)とは、それらは愛を土台としているときに意味があるということです。
この愛の性質は、神の性質です。「神は愛です」(Ⅰヨハネ4:16)とある通りです。そして、初めにことば(神)があった(ヨハネ1:1)とあるので、愛(神)ははじめから、天地創造の前からありました。そして、いつまでも続きます。この神の愛があるから、この世界があり、罪が赦され永遠の命が与えられるという信仰と希望があるのです。
この愛は、寛容であり、親切であり、高慢でなく、苛立たず、人がした悪を心に留めず、すべてを耐え、すべてを望み、すべてを忍びます(4~7節)。この愛がなければ、私は赦されることがなく、罪から解放されることもありませんでした。
私たちは、この愛によって愛されているだけでなく、与えられています。「わたしがあなたがたを愛したように、あなたがたも互いに愛し合うこと、これがわたしの戒めです。」(ヨハネ15:12)とあるように、神から与えられた愛によって、互いに愛し合いなさいと、私たちは言われています。私たちには、赦せないことが起こります。特に愛する人を奪われたなら、いつまでも赦せないことでしょう。しかし、神の愛に立ち返った人が、そのようにしたことを見ることがあります。私たちにそうしてくださった神の愛に立ち返ろうではありませんか。