2023年度 No.35

『アブラハム契約』石﨑善土師

創世記17章1~14節

…さて、アブラムが九十九歳のとき、主はアブラムに現れ、こう言われた。「わたしは、全能の神である。あなたはわたしの前に歩み、全き者であれ。わたしは、わたしの契約を、わたしとあなたとの間に立てる。わたしは、あなたを大いに増やす。」…

メッセージ要約

 聖書は、旧約と新約から成っています。それぞれ、旧い契約と新しい契約の意味ですが、名前につくほど、聖書で神との契約は重要なことです。神は契約にそって、昔から、今も、そして将来も、世界を治めています。神の契約は、「わたしの契約」として聖書に出てきます。その約束は、守ること、救うことを中心に保証しています。ノアの時代、神はその契約により、家族を洪水から救うこと(6:18)、大洪水により地を滅ぼさないこと(8:9~)を約束しました。ここに、契約による救いと守りの原点があります。
 アブラハムの時には、子孫の繁栄、土地を与える、祝福をすることを約束しました。この契約は、モーセの時代の契約へと繋がりますが、旧い契約は、この契約を指しています。3つの約束は、子孫から世界を救うキリストが誕生することへ繋がり、「信じるすべの人に救いをもたらす」(ローマ1:16)福音へと繋がって行きます。
ほとんどの人が、「わたしの契約」を誤解してきました。アブラハムは、子孫の約束はイシュマエルによるものだと誤解していました。イエスの時代のユダヤ人は、神の契約はローマと戦って勝利を得ることの約束だと誤解していました。
 この契約は、新しい契約、福音へと繋がります。この契約に無関係な人はいません。しかし、世界はそのことを知らず、自分とは関係ないことと、誤解しています。わたしたちも、「わたしの契約」による約束を、自分から遠いものだと誤解していることはないでしょうか。
全き者(神に信頼する者)として歩んだアブラムは、恵みが拡大し、アブラハムとされました。神は、信頼して歩もうとするものを見捨てることは決してありません。後ろを神に任せ、安心して前に歩を進めようではありませんか。そのとき、神に従う力が与えられます。