2023年度 No.11

『ノアの子孫による国々』石﨑善土師

創世記10章1~32節

…以上が、それぞれの家系による、国民ごとの、ノアの子孫の諸氏族である。大洪水の後、彼らからもろもろの国民が地上に分かれ出たのである。

メッセージ要約

 創世記には、いくつかの始まりが書かれています。今日の聖書箇所では、国と民族の始まりについて書かれています。国や民族の形成には、言語や文化の分化が関わっています。ノアの子3家族の子孫が、そのことにどう関わったのか、見ていきましょう。系図以外の部分に注目すると、起こった出来事が見えてきます。
 ヤフェテの子孫については詳しく触れられていません。一方、ノアに対して不敬を行ったハムの子孫であるニムロデは、世界に大きな影響を与え、初めての支配となりました。その名前は「反乱する」という意味を持ち、ハムから受け継いだ神に逆らう性格が表れています。ニムロデは力強さと権力を持ち、他の人々を支配しました。また、彼によってバベルの塔が建設され、人々が分散する原因となりました。ハムの子孫からは、神に逆らうカナン人という民族も生まれました。神に逆らう国や民族は栄えることもありますが、その繁栄は永続的なものではありません。
 最後に書かれているハムの子孫は、神の約束を実現するための民族となり、救い主を輩出することにつながっていきます。そのため、彼らの系図は重要なものとして、最後に書かれています。
 それぞれの子孫には、良い、悪い、普通といった傾向はありますが、結局はどの民族や人々も神に完全に従うことはできません。聖書は、イエスに繋がるセムの子孫を中心にして書かれていきますが、それは、世界を救うためになされたことを伝えるためであり、他の民族や人々を無視している訳ではありません。
 現代においても悪が繁栄していますが、挫かれるときが来ます。神の計画は必ずなることを、聖書は教えています。そして、そのような悪人を神は愛し、救いの手を差し伸べています。わたしたち救われた者は、なぜ今救われているのかに思いを馳せ、神の前に静まり、御声を聞くことが大切なのではないでしょうか。