2023年度 No.09

『ノアの息子たち』石﨑善土師

創世記9章18~29節

…彼は言った。「カナンはのろわれよ。兄たちの、しもべのしもべとなるように。」また言った。「ほむべきかな、セムの神、主。カナンは彼らのしもべとなるように。神がヤフェテを広げ、彼がセムの天幕に住むようになれ。カナンは彼らのしもべとなるように。」…

メッセージ要約

大洪水と、その中心人物であったノアの物語は、今日の箇所で終わりとなります。最後に取り上げられているのは、ノアの家族問題についてです。前回は、全焼のささげものにはじまり、再び洪水で滅ぼさないという「虹の契約」を得ました。今回は、ノアがぶどうを作ることにはじまり、ノアの言葉を得ます。
洪水後、ノアの家族に問題が発生しました。出来事を順番にすると、(1)ノアのぶどう作り(2)酔って裸になる(3)ハムが裸を見る(4)セム、ヤフェテに告げる(5)兄たちがノアの裸をおおう(6)カナンをのろい、セムとヤフェテについて宣言する。となり、ノアが裸になったこと、ハムが兄弟に告げた事が問題の行動ですが、その結果、ハムの子カナンがのろわれます。これは、後の世界へ影響を与えます。どうすれば、この問題を回避できたでしょうか。
行なったことに注目するなら、禁酒、プライバシーを守れば良かったということになるでしょうし、予防措置を考えるなら、酒を造らなければ良かったと言えます。しかし、悪は人の心にあるのですから、この様な出来事はいつか起こったでしょう。
ハムの悪の性質はカナンに引き継がれたと見ることができ、その子孫がカナンの地でセムの子孫であるイスラエルと敵対することになります。しかし、ハムの性質はアブラハムから出ているものでもあります。神に祝福された家族の中に問題が起こるのは、珍しいことではありません。
主の心にかない(6:8)、神とともに歩んだ(6:9)、ノアの家族にさえ問題が起こるのは、誰でも失敗し、望まない結果に行き着いてしまう事があることを教えられます。与える影響が大きくなればその責任も大きいと言えますが、人は分別がつかず、結果の予想もままならない未熟なものです。だからこそ、神の声を聞き、ゆだねる必要があり、そのとき、本来の力を発揮できるのです。