2022年度 No.50

『ノアと箱舟』
石﨑善土師

創世記6章11~7章5節

…わたしは、今、いのちの息のあるすべての肉なるものを天の下から滅ぼし去るために、地上に大水を、大洪水をもたらそうとしている。地上のすべてのものは死に絶える。しかし、わたしはあなたと契約を結ぶ。あなたは、息子たち、妻、それに息子たちの妻とともに箱舟に入りなさい。また、すべての生き物、すべての肉なるものの中から、それぞれ二匹ずつを箱舟に連れて入り、あなたとともに生き残るようにしなさい。それらは…ノアは、すべて神が命じられたとおりにし、そのように行った。…

メッセージ要約

 大洪水前の世界を神が滅ぼすことになったのは、地が堕落し暴虐に満ちていたからです(11)。ヘブル語では、“堕落”と“滅ぼす”は同じ言葉ですので、堕落と滅びは繋がっています。堕落とは、“自分の道”から堕落したことです。神の命じたところから逸れること、それが堕落の根源です。神の義によって見たとき、滅ぼされるしかないほど、世界は堕落していました。
 一方で神の愛は、滅びか助け出そうと、堕落した世界の中でノアを選び出します。慰めの人であったノアは、正しい人、全き人(9)と評され、滅びゆく世界の中で、希望となりました。
 神はノアに、地上を滅ぼすこと、しかし、ノアは救う事を繰り返し伝えました。そして、家族とすべての生き物のつがいを箱舟に乗せ、生き残るように命じました。ノアは「命じられたとおりに」しました。ノアが選ばれたのは、神が命じたとおりにする、神と共に歩む人だったからです。
 神の義で見れば、救われる価値のある人はいません。「主は天から人の子らを見下ろされた。悟る者神を求める者がいるかどうかと。すべての者が離れて行きだれもかれも無用の者となった。善を行う者はいない。だれ一人いない。」(詩篇14:2,3)とある通りです。一方で神の愛は、どのような人も愛し、救いたいと願い、救いを求める人を忍耐して待っています。「ノアの時代に、箱舟が造られていた間、神が忍耐して待っておられた」(1ペテロ3:20)
 今の時代も、神は同じように忍耐して待っておられます。救われたものの使命は、ノアの様に神に従い、大洪水を乗り切るための箱舟に招くことではないでしょうか。