創世記5章28節~6章8節
…主は、地上に人の悪が増大し、その心に図ることがみな、いつも悪に傾くのをご覧になった。それで主は、地上に人を造ったことを悔やみ、心を痛められた。そして主は言われた。「わたしが創造した人を地の面から消し去ろう。人をはじめ、家畜や這うもの、空の鳥に至るまで。わたしは、これらを造ったことを悔やむ。」しかし、ノアは主の心にかなっていた。これはノアの歴史である。ノアは正しい人で、彼の世代の中にあって全き人であった。ノアは神とともに歩んだ。…
メッセージ要約
アダムの系図の10代目に当たるノアが生まれた頃、「地上には人の悪が増大」し、「主が地上に人を造ったことを悔やむ」ほどでした。そのような中にあって、ノアは曽祖父エノクと並んで、「神とともに歩んだ」と記されています。そして、父レメクからは、「慰めてくれるだろう」と言われ、“休息”という意味の名を付けられました。
「神とともに」と称されることは、聖書の中でも、ごく希れです。主が「人を地の面から消し去ろう。」と悔やんだ世代の中にあって、さらに「ノアは主の心にかなっていた」と賞されます。
神は、人が神とともに歩むことを願われていましたが、イエスを地に遣わし、神が私たちとともにいて下さるようになりました。そして、イエスの戒め、「わたしがあなたがたを愛したように、あなたがたも互いに愛し合うこと」(ヨハネ15:12)は、神の願いは、人が神とともに歩むこと、人どうしがともに歩むことであることを教えてくれます。これが私たちのゴールであり、神の計画はそこへ向かっています。
現代において、私たちは神の計画が頓挫しているかのような錯覚に陥ることがあります。しかし、ノアの時代と同じように、神は、神とともに歩む人を起こし、導き、地に慰めを与えます。それが、私たちのイエス・キリストであり、キリストの弟子である方々です。私たちは、地の慰めばかりでなく、神の慰めともなっていることを思い出すとき、本来の役割を思い出す事ができます。