2022年度 No.42

『エバと2人の子(前編)』
石﨑善土師

創世記4章1~16節

人は、その妻エバを知った。彼女は身ごもってカインを産み、「私は、主によって一人の男子を得た」と言った。彼女はまた、その弟アベルを産んだ。アベルは羊を飼う者となり、カインは大地を耕す者となった。しばらく時が過ぎて、カインは大地の実りを主へのささげ物として持って来た。アベルもまた、自分の羊の初子の中から、肥えたものを持って来た。主はアベルとそのささげ物に目を留められた。…

メッセージ要約

 エデンの園から追放された後、エバは2人の子を得ました。エバは「蛇の頭を打つ」救い主を得たと思い、一人目の子をカイン(得た)と名付けました。この兄弟は神へのささげ物のことから仲違いし、兄カインが弟アベルを殺害しました。この話を元にした多くの物語が作られています。
 アベルに目が留められた理由は、「信仰によって、アベルはカインよりもすぐれたいけにえを神に献げ、そのいけにえによって、彼が正しい人であることが証しされました。」(ヘブル11:4)と書かれています。羊の初子は、イエスの十字架へと繋がるささげ物と見ることができ、信仰と感謝による、これ以上のささげ物はありません。
 カインはこのことを受け入れられず、激しく怒りました。その理由は、認められたい、一番でいたいなどの欲からはじまっています。カインは欲からはじまったその感情を抑えることができず、弟アベルを殺してしまいました。その後、カインからは謝罪も悔い改めもありませんでした。悔い改めがなければ、神は赦したくても赦す事ができません。そうして、カインは呪われることになります。しかし、神はカインを憎んでいたわけではありませんでした。カインがこのことで殺されない様、恵みによりカインにしるしをつけました。カインは出て行きましたが、そのとき、神や親であるエバの悲しみは、いかほどだったでしょうか。
 あなたの親しい人に、このような方がいないでしょうか? それどころか、自分の内側に、カインのような面が潜んでいる事に気付くことはないでしょうか。神は私の内にある、アベルの面もカインの面も、愛し、赦しを与えたいといつも待っています。神の愛と憐れみを知ったなら、献げるものは十字架のイエスしかないのではないでしょうか。