創世記1章1~2節
「はじめに神が天と地を創造された。地は茫漠として何もなく、闇が大水の面の上にあり、神の霊がその水の面を動いていた。」
メッセージの要約
創世記を含む、聖書の最初の5書(創世記、出エジプト記、レビ記、民数記、申命記)は、モーセ5書と呼ばれ、モーセが書いたと伝承されています。モーセが書いたとすれば、その時期は、出エジプト以後となります。その目的は、長年の奴隷生活の中で、神を忘れたイスラエルの民に、神とはどんなお方で、自分たちとどのような関係なのかを教えるためでした。創世記のノアの洪水までは、全人類に共通の物語です。
天地創造の物語は、多くの神話に登場します。聖書の天地創造と似ているものもありますが、同じ時代背景をもって書かれた物語は、当時の読み手の理解力、科学力を考えると、似てくることは仕方がありません。しかし、多くの神話と聖書が異なるのは、神の間に争いがないこと、神が楽をするために人間を創造したわけではないこと等があります。
聖書は、神が全てを造られたと記載していて、それより以前の事は出て来ません。天地創造の前から、神がいたことが前提となっています。また、読む人がその神を知っていることも前提となっています。創世記は、神を知っている人に向けて書かれたものなのです。
聖書を読むときは、その書は、誰が誰に対し、何を伝えたくて書いたのかを考えることは、理解するうえで、とても有益です。そのために、時代背景について知ることも役に立ちます。また、繰り返し読むこともお勧めします。
「はじめに」ではじまる創世記は、神がこの宇宙の全てを創造した方であることを伝えようとしています。その天と地は、これから続く天地創造で造られるものの器であること、神は意志を持ってはじめた方であることが見えてこないでしょうか。
天地創造をはじめた方は、人類を救うこともはじめられ、私たちを救い始めました。今も生きて働かれる神に信頼して、新しい一歩を踏み出そうではありませんか。