使徒の働き 9章15~20節

しかし、主はアナニアに言われた。「行きなさい。あの人はわたしの名を、異邦人、王たち、イスラエルの子らの前に運ぶ、わたしの選びの器です。彼がわたしの名のためにどんなに苦しまなければならないかを、わたしは彼に示します。」そこでアナニアは出かけて行って、その家に入り、サウロの上に手を置いて言った。「兄弟サウロ。あなたが来る途中であなたに現れた主イエスが、私を遣わされました。あなたが再び見えるようになり、聖霊に満たされるためです。」するとただちに、サウロの目から鱗のような物が落ちて、目が見えるようになった。そこで、彼は立ち上がってバプテスマを受け、食事をして元気になった。
サウロは数日の間、ダマスコの弟子たちとともにいて、ただちに諸会堂で、「この方こそ神の子です」とイエスのことを宣べ伝え始めた。

メッセージ概

 イエス・キリストを信じる人々を捕えるためにダマスコに向かっていたサウロは、まばゆい光によって地に倒され、「サウロ、なぜわたしを迫害するのか」との主の声を聞きます。サウロの目は見えなくなっていましたが、主の備えられていたアナニアによって再び見えるようにされます。この時サウロは、自分がしてきたことの意味を知って悩み、混乱していましたが、アナニアもまた非常に悩み苦しんでいました。
 それは、それまでのサウロがしたことを知っており、恐れたからです。しかし主はアナニアに、そこに人の思いを超えた、深い神の計画があることを教え諭され、「サウロのところに行きなさい!」と導かれます。
わたしたちの歩みも、恐れと悩みの連続です。人の内なる変化は目に見えませんから、見た目で恐れてしまいます。しかし、神はわたしたちと共にいてくださり、わたしたちに神の思いを教え、励ましてくださいます。普通に考えたら危険で、無意味に思えることの中にも、神は力強く働くことができると、教えてくださっているのです。
 ですからわたしたちも、物事の表面だけを見るのではなく、わたしたちの内に語りかけてくださる主の声に、聞き従おうではありませんか。